
1. 子どもが生まれたら、世界は一変した
私は結婚を機に訪問看護師への転職を決めました。
その時は自分が親になるなんてことを
あまり意識していませんでしたが、
子どもが生まれると人生って一変します。
「仕事と家庭の両立」がどんなに大変か、
当時の私は全く分かっていませんでした。
実は訪問看護は、
子どもを持つ看護師にも
とっても人気の転職先です。
私の勤めていたステーションでも、
半数以上にお子さんがいて、
しかもまだ1歳や2歳と小さいお子さんを
育てているママさんもいらっしゃいました。
今回は、訪問看護師になってから経験した、
出産、育休からの復職の経験を振り返りながら、
なぜ訪問看護がママさんナースに支持されるのかを
考えていきたいと思います。
2. 「先輩」である自分と、「ママ」である自分のはざまで
復職後の生活は、毎日が戦いでした。
朝の戦場のような準備、保育園への送迎、
そして退勤後の「お迎え」という
絶対的なデッドライン。
私はその時すでに
訪問看護師として中堅の立場で、
プリセプターも務めていました。
かつての私は、退勤後のちょっとした時間に
同僚と利用者さんの話をしたり、
後輩の相談に乗ったりする時間が大好きでした。
でも子どもが生まれてからは、
声をかけてくれる後輩に
「ごめん、お迎えがあるから、また今度話を聞かせてね!」
と背を向けて走り去らなければならない。
「私は、たった数分間、後輩の相談に乗ってあげることさえできなくなってしまったのか」
先輩看護師として力になれない情けなさと、
悲しさを抱えながら、
毎日ギリギリでお迎えに駆け込んでいました。
3. 保育園からの厳しい言葉
そんな自分なりに必死だったある日のことです。
保育園で先生から、こう注意を受けてしまいました。
「お迎えが遅いようですね。他の方々はちゃんと守られていますので、お願いします」
ルールなのは分かっている。
でも、私も遊び歩いているわけじゃない。
仕事の責任を果たそうと、
1分1秒を惜しんで動いてきたのに……。
あの時の孤独感と、
仕事にも育児にも中途半端な自分への申し訳なさは、
今でも忘れられません。
(※ちなみに諸事情あったため、その後保育園にお迎えの時間を少しだけ遅くしていただくことができました。)
4. 私には「病院勤務」のままでは無理だった
完全な子ども中心の生活。
果たして、
病院勤務のままで夜勤や残業の日々だったら、
私はがんばれていただろうか……?
病棟時代、
せっかく時短勤務で復帰しても、残業をしたり、
子どもが発熱して早退する時に
心ない言葉を投げかけられたりして、
去っていく仲間をたくさん見てきました。
もちろん、その荒波を乗り越えて
キャリアを築く尊敬すべき看護師もいます。
でも、私にはきっと無理でした。
それまで比較的平坦だった私の人生は、
結婚を機に、驚くほど流動的なものになりました。
30歳前後の女性は、結婚だけでなく、
親の介護、自分自身の転職など、
環境の変化が著しい時期です。
私自身、両親との死別、育休復帰
そして仕事と家庭の両立……。
重なるように訪れたライフイベントの荒波の中で、
さらに病院での夜勤や残業に適応し続けることは
できなかったと思うのです。
5. 訪問看護がママ看護師に支持される理由
最終的に私は訪問看護を辞めてしまうのですが、
育休復帰後に「訪問看護で良かった」と実感した、
訪問看護ならではの環境をお伝えします。
① 日勤メインで生活リズムが安定
夜勤がないため、子どもとの時間を確保しやすく、
体力的にも余裕が持てます。
頼れる親族が近くにいない私にとって、
夜勤明けの育児を考えなくて済むのは
大きな安心でした。
② 急な休みへの「お互い様」の精神
ママさんナースが多いステーションでは、
子どもの発熱による呼び出しも「お互い様」。
管理者とすぐに連絡が取れ、
訪問スケジュールの調整ができる体制に
何度も救われました。
③ 直行直帰や時短勤務の活用
朝の子どもの準備は慣れるまで
「予測不能さ」がつきまといます。
なぜか出発直前に漏れるう⚪︎ち💩
朝無理に事務所に行かなくて良い環境は
物理的な時間と心の余裕を生み出してくれました。
6. おわりに:今の働き方に悩むあなたへ
私は今、看護師という仕事からは少し離れています。
でも、あの時、訪問看護という働き方を選んで
踏ん張った経験があるからこそ、
『自分自身の人生を大切にしてもいいんだ』と思え、
看護師の経験を活かしながら
新しい挑戦をしています。
もしあなたが今、
仕事と育児の板挟みで「どちらも中途半端だ」
と自分を責めているなら。
あなたが笑顔で、あなたらしくいられる場所は必ずあります。
新しい一歩を踏み出してみませんか?